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「フルリノベーションして後悔しないかな」「住んでから『こうすればよかった』と思うのはどんなところ?」――リノベーションを考え始めると、成功例よりも失敗談のほうが気になるものではないでしょうか。
我が家は2019年3月に、築15年・75平米・3LDKの自宅マンションをスケルトン状態(内装や設備をすべて解体し、コンクリートの躯体だけにした状態)からフルリノベーションしました。かかった工事費は約1,035万円です(費用の内訳はこちら)。
住み始めて7年以上。仕上がりには今も満足していますが、暮らしてみて初めて気づいた後悔もいくつかあります。この記事では、実際に住んでいる私が感じている後悔を6つと、逆に「やってよかった」と思うこと、そして「もう一度やるなら最初にこれをやる」ということを正直にまとめました。中古マンションを買ってリノベーションを考えている方にも、参考になればうれしいです。
結論:後悔は「音」「広さの配分」「お任せにした細部」、そして「比べる材料がなかったこと」
| 後悔したこと | やり直すなら |
|---|---|
| 1. 寝室と浴室を壁一枚で隣り合わせにした | 寝室と水回りは離す。無理なら壁を厚くする |
| 2. トイレを広く取りすぎた | 座って立てる広さにして、残りを収納などに回す |
| 3. ピクチャーレールをお任せにした | 細かい部材も自分でカタログを見て選ぶ |
| 4. クローゼットの壁紙を無難にした | 見えにくい場所こそ思い切った柄にする |
| 5. 造作チェストの棚の高さ | 実際の使い方を具体的に想像してから高さを決める |
| 6. 1社だけで決め、比べる材料がなかった | 最初に複数社のプランと見積もりを並べる |
大きな失敗はありません。ただ、1〜5はどれも「図面の段階では気づきにくかったこと」で、6は「当時の自分には判断する材料がなかったこと」です。順番に紹介します。
後悔1:寝室と浴室を壁一枚で隣り合わせにした
一番の後悔は「音」です。リノベーション前の間取りでは、寝室と浴室のあいだに扉付きの収納があったので、お風呂の音は気になりませんでした。
ところがリノベーション後は、寝室と浴室が壁一枚で隣り合う配置に。しかも寝室側のその壁には、高さを変えられるオープンな収納棚を設けたため、ほぼ浴室と密着した形になっています。家族がお風呂に入っていると、シャワーの音や水の音が思った以上に響いてきます。
間取り図の上では「壁がある」ので安心してしまいがちですが、音の伝わり方は図面ではなかなか分かりません。寝室とお風呂・トイレなどの水回りの位置関係は、間取りを決める段階でぜひ確認してほしいポイントです。どうしても隣り合う場合は、壁を厚くしたり、間に収納を挟んだりといった防音の工夫を、最初から相談しておくと安心です。
▶ 詳しくはこちら:寝室と浴室を隣接させるべきではなかった
後悔2:トイレを広く取りすぎた
これはブログに書くのは初めてですが、トイレは正直、もう少し狭くてもよかったと思っています。
トイレでする動作は、ほぼ「座る」と「立つ」だけ。広さに余裕があっても、それで快適さが大きく変わるわけではありませんでした。座って立つことができる広さがあれば十分で、その分のスペースをほかの用途に回せるのであれば、そちらのほうが暮らしの満足度は上がったと思います。
リノベーションでは、限られた平米数をどこに配分するかがすべてです。我が家では浴室を一回り小さくしてパウダールームを広げたことは大正解でしたが(後ほど紹介します)、同じ考え方をトイレにも当てはめればよかったなと感じています。「その場所を、家族がどれくらいの時間、何のために使うか」で広さを決めるのがおすすめです。
後悔3:ピクチャーレールを「お任せ」にした
ピクチャーレールとは、壁や天井に取り付けて、絵や写真をワイヤーで吊るすためのレールのことです。リノベーション前の家にも天井埋め込み型のものがあり、「今度こそちゃんと活用しよう」と思っていました。
ところが工事が始まると、ほかに決めることが次々と出てきて、優先度の高くなかったピクチャーレールは意識から薄れていきました。結局、天井に埋め込むタイミングを逃し、部屋がほぼ完成してから後付けで設置することに。カタログで選んだわけではなく、建築士さん(もしくは大工さん)にお任せで付けてもらったところ、むき出しでやや太めのデザインになり、部屋との一体感がありません。住むほどに、だんだん気になってきました。
フルリノベーションは決めることが本当に多いので、小さな部材ほど「お任せ」になりがちです。やり直すなら、気になっている設備や部材は最初にリストにしておき、自分でカタログを見て選びます。
▶ 詳しくはこちら:お任せで取り付けてもらったピクチャーレールが段々と嫌になってきた
後悔4:クローゼットの壁紙を無難にしてしまった
クローゼットの中には、もともとウィリアム・モリスの花柄の壁紙を使いたいと考えていました。ただ、輸入壁紙は紙製のものが多く施工が難しいこと、服が掛かるとほとんど見えなくなることから、採用は見送り。メインの薄いグレーとは色味を変えた、テラコッタ系の単色の壁紙にしました。
仕上がりは無垢の木材のような色味で、工事中に見たときは「まだベニヤ板がむき出しなのかな」と思ったほど、壁紙を貼っている感じがしません。服で隠れることに変わりはありませんが、扉を開けたときに楽しくなるような、もっと思い切った色や柄にしてもよかったと思っています。クローゼットのように面積が小さく目立たない場所は、むしろ冒険しやすい場所です。
▶ 詳しくはこちら:クローゼットの壁紙は、やっぱり花柄など派手なものを選んでいても良かった
後悔5:造作チェストの棚の高さを、使い方まで想像して決めなかった
パウダールームには、天板を作業台として使える造作のチェスト(オーダーで作ってもらった収納家具)を設けてもらいました。普段の作業台としてもアイロン台としても活躍していますが、天板の上に付けてもらった棚が、アイロンがけのときに少し邪魔に感じることがあります。大きめの衣類だと、天板と棚のあいだで窮屈な思いをすることも。
造作家具は自由に作れるのが魅力ですが、完成後に「誰が、何を、どんな姿勢でするか」まで具体的に想像してから高さや寸法を決めることが大切だと、住んでから気づきました。
▶ 詳しくはこちら:アール壁(R壁)のトイレと、広くなったパウダールーム
後悔6:1社だけで決めて、見積もりが妥当か判断する材料がなかった
我が家のリノベーションは、たまたま手に取った情報誌に載っていた建築事務所の施工事例にひと目ぼれしたことから始まりました。その日のうちに連絡し、ほかの会社とは比べずにそのままお願いしています(建築事務所との出会い)。
先にお伝えしておくと、仕上がりにも、1年点検まできちんと対応してくれたアフターケアにも満足しています。お願いしたこと自体は後悔していません。
ただ、当時の私は費用の相場も、リノベーションの進め方も、何ひとつ分かっていない状態でした。予算1,000万円に対して、初回の見積もりは1,039万円。最終的には1,035万円に収まりましたが、その金額が高いのか安いのか、ほかの会社ならどんな間取りを提案してくれたのか、比べる材料がまったくありませんでした(見積もり書の金額公開)。
振り返ると、後悔1〜5の多くも、ほかの会社の提案を見ていれば「寝室と浴室をこう離す方法もあるのか」「トイレはこのくらいでいいのか」と、別の選択肢に気づけたかもしれません。同じ75平米でも、会社によって間取りの考え方や得意なテイスト、見積もりの金額はまったく違います。もう一度やるなら、気になる会社が見つかっていたとしても、最初に何社かのプランと見積もりを並べて、その上で決めると思います。
いまの私なら、最初にこれをやります
リノベーション会社を1社ずつ回って打ち合わせをするのは、時間も気力もかかります。今は、ネットで要望を伝えるだけで、複数のリノベーション会社から間取りプランや見積もりをまとめて取り寄せられるサービスがあります。依頼は無料なので、「まだ本格的に動くか決めていない」段階でも、相場観をつかむ材料になります。
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逆に「やってよかった」と思うこと
後悔ばかりではありません。住んで7年たっても「これは正解だった」と思うこともたくさんあります。
- 玄関の土間を広げた:一部屋をなくして土間と玄関ホールを広げたことで、家族の出入りやキャンプ道具の積み下ろしが本当に楽になりました(玄関土間の記事)
- 浴室を小さくして、パウダールームを広げた:浴室にいる時間は短いですが、パウダールームは家族全員が毎日何度も使う場所。使う頻度で広さを配分したのは大正解でした(パウダールームの記事)
- ウォークインクローゼットを見送った:浴室を小さくしたときと同じ考え方で、住んでみて正解だったと感じています(打ち合わせの記事)
- 埋め込み式のカーテンボックス:カーテンレールが見えず、窓まわりがすっきり。後からは付けにくいので、工事のタイミングで決めておいてよかった部分です(カーテンボックスの記事)
- キッチンの角のデッドスペースに造作棚:コの字キッチンの角にできるすき間を、ゴミ箱置き場と高さを変えられる棚にしてもらいました(造作棚の記事)
こうして並べてみると、「やってよかった」ことは、どれも自分たちの暮らし方を具体的に伝えて、建築士さんと一緒に考えた部分でした。反対に後悔は、図面だけで判断した部分や、お任せにした部分に集中しています。
フルリノベーションで後悔しないためのチェックリスト
私の後悔をもとに、これからリノベーションを考える方に確認してほしいことをまとめました。
- 寝室と水回りの位置関係:寝室とお風呂・トイレが壁一枚で接していないか。接する場合は防音の工夫を相談する
- 広さは「使う頻度」で配分する:トイレや浴室など、短時間しか使わない場所を広くしすぎていないか
- 小さな部材ほど自分で選ぶ:ピクチャーレール、コンセント、照明のスイッチなど、気になるものは最初にリストにしておく
- 造作家具は使う場面まで想像する:誰が、何を、どんな姿勢でするかを考えて高さや寸法を決める
- 最初に複数社のプランと見積もりを比べる:間取りの選択肢と費用の相場を知ってから、1社に絞る
特に5は、ほかの4つにも関わる一番大事なポイントだと思います。いろいろな提案を見ることで、自分では思いつかなかった間取りや、後悔しやすいポイントに早めに気づけるからです。
まとめ:後悔の多くは「比べる材料」があれば減らせる
築15年・75平米のマンションをフルリノベーションして7年。仕上がりには満足していますが、お風呂の音、広すぎたトイレ、お任せにしたピクチャーレールなど、住んでから気づいた後悔もありました。
どれも大きな失敗ではありませんが、間取りを決める前にもっと多くの選択肢を見ていれば、避けられたものもあったと思います。これからリノベーションを考える方は、まずは気軽に複数社のプランを取り寄せて、「どんな選択肢があるのか」「相場はどのくらいか」を知るところから始めてみてください。
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実際にかかった費用の内訳や工期、工事以外にかかったお金は、こちらの記事ですべて公開しています。
▶ 【実録】マンションのフルリノベ費用は総額約1,057万円|75㎡・3LDKの見積書・請求書・工期・後悔を全公開