カングーのカスタムで多くの方が実施されている「トノボードの自作」。
カングー納車前から「これはやろう!」と心に決めていた事の一つだったので、実際に自身でも作ってみました。
他の方が作られているデザインをネットで調べて参考にさせていただき、それを改良したオリジナルのスペックとなっています。
ボードの寸法などの詳細も載せていますので、参考になれば幸いです。
このページの内容
このページで解説しているカングーの自作トノボードはこんな仕様です
- 純正のトノボードと同じ横幅で、トノボード用のレールに乗せて使用するタイプです。
- ボードは、フロント側、リヤ側の2枚に分かれています。
- 車中泊で子供用ベッドとして使用する際の「子供の落下防止柵」は別の板を使って追加で作製します。(上の写真では、一番手前に設置されている板がそれです)
- テーブルとしても使用できるように、ボードの裏側には脚を取り付けるための金具を設置しています。
- この自作トノボードを設置すると、純正のトノボードを2列目シートの裏に収納できなくなります。(とあるメリットを採用しての仕様です)
準備したもの
トノボード本体と、トノボードをテーブルとして使用する際に必要なパーツはこちら。
トノボード本体用
- パイン集成材 1820mm x 910mm x 18mm 1枚
- ヌリ打掛 Mサイズ 1個
テーブル用パーツ
- 角ポール 400mm(上下にねじ穴が開いている、テーブルの脚として使用する角材)
- 丸座金(天板側に設置する、脚を取り付けるための金具)
- アジャスター(ガタつき防止のため、各脚の高さを微調整するためのパーツ)
自作トノボードの詳細サイズの解説
フロント側
縦350mm、横1155mm
リヤ側
縦290mm、横1155mm
両端のカットサイズは下記の通り。
カットを終えた板に、我が家で定番となっているターナー色彩株式会社の「アンティークワックス(カラー:ジャコビーン)」を塗り込んで仕上げます。
フロント側の板に上図A部分の出っ張りを設けることのメリットとデメリット
<メリット>
メリットを伝えやすくするため、はじめに紹介した設計図の内容から、Aの出っ張りを消去した図でご紹介します。
フロント側のボードを下段のレールに乗せて、例えば荷室でお座敷スタイルのテーブルとして使用する際、上の画像で斜線の箇所(板のフロント側半分)に手をついたりして力が加わると、支えられているのが板のセンターだけのため、板がひっくり返ってしまいます。
これを防ぐために、Aの部分が役目を果たします。
ただし、上段で使う際はAの下にはそれを支えてくれるレールがないので、同じく力を加えるとひっくり返ってしまいます。
それを防ぐために下記の写真にある「ヌリ打掛」という金具を装着しました。(オレンジ色の金具)
垂直になっている金具をくるりと回せばロック解除になります。
フロントとリヤの板をまたぐように、両サイドに1つずつ設置しています。
テコの原理により、ひっくり返る方向に力が加わってもこの金具があるために止まってくれます。
これにより上段で使用する際にも、余程のことが無い限り板がひっくり返る心配はなくなりました。
<デメリット>
純正のトノボードは2列目シートの背面部分に収納出来るようになっていますが、Aの出っ張りを設けることで干渉してしまうようになり、収納出来なくなってしまいます。
とはいえ、自作のトノボードと純正のトノボードを同時に使用するシーンもあまり無いと思うので、普段は純正のトノボードは車から降ろしておくなどすれば問題ありません。このAの出っ張りはその人の使い方次第で、付けるか付けないかは判断していただければと思います。
脚を付ければアウトドアテーブルに早変わり
ひとまずトノボードとしての役割を果たすものは出来上がりましたが、この板に脚を付けることでテーブルとしても活用できないかを考えました。
<準備したもの>のコーナーのテーブル用パーツで紹介した商品がこちら。
- 角ポール 400mm(上下にねじ穴が開いている、テーブルの脚として使用する角材)
- 丸座金(天板側に設置する、脚を取り付けるための金具)
- アジャスター(高さを調整するためのパーツ)
丸座金にはねじ穴が3つ開いており、ねじも同梱されています。
これをリヤ側の板の四隅に取り付けます。
完成したボードの裏側はこのようになっています。
床の色と同化していて分かりにくいですが、上がフロント側の板、下がリヤ側の板で、裏側を撮影した様子です。
板同士をつなぐように両サイドにヌリ打掛を付け、リヤ側の四隅にはテーブルとして使用する際の脚を取り付けるためのねじの台座が付いています。
脚を取り付けて地面に置くとこんな感じ。
脚を外してカングーに設置すると、このように↓脚取り付け用のねじが出ている状態になっています。
荷物の積み込みの際にここに物を引っかけたりしないように注意が必要です。
テーブル用の脚としては、折り畳みの脚を天板裏に取り付けてしまうとか、ソーホースのような脚を2つ準備するとかも考えたのですが、一番簡単に出来るやり方として、最終的にはこの方法を選択しました。
今回採用しているテーブル用の脚には数種類の長さが用意されており、形状も四角と丸があります。そしてそれぞれの脚同士をジョイントするパーツも販売されています。
そのため用途に合わせて脚を複数本持っておけば、例えばお座敷スタイルやヘリノックスなど低めのチェアを使用したロースタイル、カングーの荷室に腰掛けて使用したり、比較的背の高い普通の折り畳みチェアを使用する際のハイスタイルなど、対応可能になるので便利そうです。
【番外編】子供の転落防止柵とベッドスペース延長用ボード
これは必要な方は限られるということで、番外編としてご紹介。
我が家の場合は子供2人がこのベッドで寝ることになるため、上記のトノボード2枚のスペースでは狭いんですね。
そのため、子供の転落防止柵を兼ねたベッドスペースの延長ボードを作成しました。
この延長ボードは純正トノボードのレールに乗せるサイズではなく、カングーの荷室両側にあるスピーカーが配置された部分に乗せる長さで作製しています。
サイズの詳細
子供の落下防止柵用の材料
- パイン集成材 1820mm x 300mm x 18mm 1枚
- イレクター パイプ H−1500 S BL Φ28mm×1500mm 1本
- イレクター プラスチックジョイント JB-5 2個
- イレクター プラスチックジョイント JB-7B 1個
- イレクター プラスチックジョイント J-103 3個
ホームセンターでイレクターパイプを購入し、そのまま店頭でカットしてもらいました。
1500mmのパイプから柱用の250mmを3本分作ってもらい、残りの750mmは横一直線のバーとして使用します。
上記のジョイントパーツを設置して完成した様子がこちら。
車中泊を予定している時だけ持って行くことにし、普段は自宅で保管しておくつもりで作製しました。
イレクターパイプはボンドで固定してしまわずに、その場で組み立てが可能なようにしています。
この板を設置する際はシートベルトの収納口と干渉するので、この下の写真のようにシートベルトを窓側に押し付けて設置する形になります。
体の方に来るベルトは板の前に出しておく形で。
上の写真からも分かるように、そもそもトノボードとは設置する位置が異なるため段差が生まれてしまいますが、実際に寝る際にはEVAマットやインフレーターマットなどでカバーできる範囲かと考えています。
実際に車中泊を重ねると見えてくる問題点などあるかと思いますが、今後も随時改善していこうと思っています。
これからカングーのトノボードを作成しようと考えている方に少しでもヒントになれば幸いです。