自身が過去に就職していたブラック企業でのエピソードを紹介したいと思います。
今回はメーカーA社でのエピソード。
会社概要
業種 | メーカー |
従業員数 | 20名 |
年商 | 3億円 |
職種 | 事務職 |
ブラック企業ポイント | 社会保険加入なし 残業代なし 賞与なし |
エピソード
入社時の話
まず面接の際に話されたのが、「当社は社会保険に入っていないので、自分で国民健康保険に入ってください」ということ。
当時、仕事出来るなら何でも良いや、くらいにしか考えていなかった私は、そんな条件でも大きな違和感を感じることなく就職してしまったのです。
仕事内容について
実店舗を構えながら、ネット通販事業も展開するメーカー企業にて、ネット通販部門の運営と、自社製品のカタログ制作を行うのが主に私の仕事でした。
ネット通販、カタログ制作でともに関わってくるのが、商品およびモデルの写真撮影。
私が入社した当初は外部のプロのカメラマンさんに撮影をお願いしていましたが、私にもカメラの知識が少しあったため、カメラマンさんを呼ぶまでもない内容の時は私が撮影をすることもありました。
ただ、次第にその割合が増えていき、いつの間にか「もうカメラマンは呼ばないから、君が撮影をやってほしい」となりました。
まだ若さもあったため、そういった形で仕事を任されることに誇りを感じ、頑張ることが出来ました。
新商品が出るたびに商品自体の撮影と、モデルさんを使っての使用シーンの撮影が入ります。
年に2度制作する自社カタログは100ページ超えの大作なのですが、何とこれの制作作業に当たれる人員が私しかいないため、一人でこなさないといけないのです。
コンテの制作から実際の撮影、ページデータの作成、修正対応、入稿作業。
およそ1.5ヶ月くらいで全てをこなしていましたが、特に入稿の締め切り1週間前くらいからは徹夜も続くようなしんどい業務となっていました。
決定権のある上司が本社にいない
会社には支社がありましたが、その支社の方に社内のあらゆる物事に対する決定権を持つ上司が居たため、カタログの制作をはじめすべての内容チェックをそちらに投げないといけないのです。
データを投げて電話でチェックの依頼を行ってもすぐに見てもらえるわけではありません。
その待ちだけで数時間、半日なんてザラなので、その間にまた別の作業を進めるといった具合です。
その頃になるとどうせ終電には間に合わないので、はじめから自転車で通う始末。
深夜を回って空が明るくなる頃にフラフラになりながら自転車で帰宅し、シャワーを浴びてまた出社をする、そんな状況でした。
概要にも書いたように、残業代は出ません。
学生時代から漠然と「デザイナー」という言葉に憧れを持っていたところがあり、そういった仕事が出来ることを誇らしく感じていた一方で、この生活が続くのは良くないと考える自分もいました。しかし、再び転職するということの壁が高く感じられ、この会社でしばらく仕事をすることになります。
一人のカリスマに頼る危うさ
上にも書いたように、商品の方向性や自社の広告など、すべての内容に対しての決定権が社内に居る1人のカリスマに委ねられていました。
この会社ではその人が白だと言ったら白だし、黒だと言ったら黒なんです。
なので、商品が売れるかどうかもその人次第。
今思えば何て危うい経営なんだと思いますが、会社の内容、規模から考えると無理もないかというところです。
仕事内容以外の部分の話
月に一回、支社のスタッフもやってきて経営会議が開かれていました。
主に売上の報告と新商品のコンセプトやデザインに関する内容の会議でしたが、この会議の後には決まって皆で食事(夕飯)に行くのです。
当時は一人暮らしだったため、食事自体は美味しいものが食べられるので嬉しいのですが、そのあと2軒目、3軒目とダラダラと飲みに行くのが本当に苦痛でした。(自分はお酒を飲まないもので…)
そんなの断れば良いじゃないか、というごもっともな意見があるかと思いますが、当時の私にはその勇気が無く、「早く帰りたい」とストレスを抱えながら、その場がお開きになるのをひたすら待っていたのを覚えています。
そもそも、売り上げにゆとりがあるわけでも無いのに、この毎月の食事代、支社からの交通費などはバカにならないと思うのですが、今思えばどうなっていたのか謎です。
まとめ
今働いている会社からは考えられないような環境ですが、この経験は自身の中で確実に生きています。それはスキル面もさることながら、二度とこのような環境では働かないぞという戒めにもなっています。
比べられる立場になったからこそ実感することですが、やはり働いた分しっかりとお給料をいただき、会社の福利厚生もしっかりとしている、夏・冬には賞与がいただける、そういった企業に就職することは大切だと思います。
自身の「やりたいこと」や「夢」を追いかけ、それを仕事に出来ることに喜びを感じられるのであれば、それが原動力となり生涯続けているのかもしれません。
ただ、家庭を持ったりと、人生のステージが変わってくると価値観も変わってくるもの。
家族がしっかりと生活していけるだけのお金が必要になりますし、その仕事を続けた先の自身の姿、家族との生活もイメージ出来ないといけません。
もしこの記事を読んで、今置かれている自身の環境に疑問を感じる方がいれば、転職を考えるタイミングかもしれません。
「本当はどうありたいか」に応えられるのは自分自身だけです。
転職は自力で行うのではなく、プロの力を頼るのが幸せな転職を実現するコツです。
ちなみに、過去に書いた記事にはこのような内容もあります。
少しでも参考になれば幸いです。
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